ドバイ住宅価格指数の推移

ドバイ土地局(DLD)が公表する住宅販売価格指数(Residential Sale Price Index)を、2011年3月から時系列で表示します。エリア別の相場ではなくドバイ全体の相場そのものを示す一次データで、「いま買うのは高値づかみか」を判断する出発点になります。

⚠️ 公式指数の更新は2024年5月で停止しています。それ以降の値動きは推計・民間調査(下の「2024年6月以降の動き」)で補っています。基準は2012年1月=1.000。指数1.656なら「2012年1月の1.656倍=+65.6%」という意味です。公式値は2024年5月までで、それ以降は下の「2024年6月以降の動き」を参照してください。

指数・平均取引価格の推移

アパートとヴィラは別々の波を描きます。2020〜2021年の底ではヴィラが先に反転し、その後アパートが追いかけました。全体指数だけを見ていると、この時間差を見落とします。

前年比(YoY)の推移

同じ期間の1年前と比べた変化率。0%の線を上下どちらで推移しているかが、相場の局面を最も端的に表します。

前年比がプラスでも縮小し続けている局面は、上昇の勢いが失われつつあるサインです。2014年末〜2015年、そして2024年前半にも同じ形が出ています。

20年サイクルのどこにいるのか

このデータが実際に記録した2つの下落と2つの回復。数字はすべて上のグラフから読み取れます。

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2015〜2021年:6年かけて −18%

月次の全体指数は2015年5月に1.306でピークを打ち、そこから2021年6月の1.070まで6年かけて18.1%下落しました。暴落というより「長く緩やかに沈む」形で、この間に買った人は6年間含み損を抱えたことになります。オイル価格の下落、供給過多、エクスポ2020の延期が重なった時期です。

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2021〜2024年:3年で +55%

底の2021年6月(1.070)から2024年5月の1.656まで、わずか3年で54.8%上昇。前年比は2022年6月に+23.6%とこのデータ全期間で最も高い伸びを記録しました。ゴールデンビザ拡充、富裕層の流入、金利上昇局面でも現金購入が多かったことが背景です。

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前回ピーク超えまで7年

2015年5月のピークを回復したのは2022年6月ピークで買うと元の水準に戻るまで7年かかった計算です。ドバイは値動きが大きい市場なので、「いつ買うか」が「どこで買うか」と同じくらい効きます。短期での売却前提なら、この7年という数字は必ず頭に入れておいてください。

同じ期間でアパートは+67.8%、ヴィラは+68.3%(2021年6月→2024年5月)。伸び率はほぼ並びますが、底を打った時期はヴィラが2021年1月、アパートが2021年5月と4か月ずれています。それぞれの底からの上昇率で見ると、ヴィラ+76.1%に対しアパート+68.3%と、ヴィラが先行して大きく戻したことがわかります。
下落局面での具体的な影響と、どう備えるかはリスクと注意点で詳しく扱っています。エリア単位の値動きはエリア分析、地図での比較は価格マップへ。

年次データ(公式値+推計)

DLDの年次指数は2012〜2023年が公式値。2024年・2025年はドバイ統計局(DDSE)が公表した年間変動率から算出した推計値です。

推計値の作り方:2023年の公式年次指数に、DDSEが発表した各年の変動率(2024年 +11.62%、2025年 住宅+9.81%/アパート+7.38%/ヴィラ+14.83%)を順に掛けています。DLDの指数そのものの公式値ではないため、参考値として扱ってください。

2024年6月以降の動き

お手元のCSVは2024年5月までのため、それ以降は公表統計・調査会社のデータで補いました。出典はすべて明記しています。

2026年は明確に調整局面です。REIDINの前年比は4月時点で全体+6.09%とプラスでしたが、これは2月末の紛争発生前の上昇を含む数値です。ValuStratのVPIでは紛争発生以降の累計で約-10%下落(月次の下落幅は3月の-5.9%から6月の-1%へ縮小)、6月の前年比は+0.1%までフラット化しました。Q2の住宅取引件数も前年比-31%と減速しています。ヴィラ+9.86%に対しアパート+5.49%(4月時点)と値動きが二極化している点も特徴です。
2026〜2028年にかけて20〜30万戸の供給が予定されており、供給の消化ペースが今後の指数を左右します。詳細はリスクと注意点を参照してください。

実勢単価の4段階(AED/sqft・四半期)

Property Monitorが集計するドバイ住宅の平均単価(AED/sqft)を、取引プロセスの4段階で比較します。売出し中 → 売買合意(MOU) → 鑑定評価 → 登記済み売買の順に並べると、「売り手の希望価格」から「実際に登記された成約価格」までの距離が1枚で見えます。

⚠️ Q3-2026は期中(2026年8月27日時点)の暫定値です。四半期が締まるまで数値は変わり得ます。

4本の線は同じ市場を別の段階から測ったものです。売出し中は市場に出ている物件の希望売値、売買合意(MOU)は買い手と売り手が合意した時点の価格、鑑定評価は金融機関等の担保評価、登記済み売買はDLDに登記された成約価格。上から下へ「希望」が「現実」に削られていく構造が基本形で、通常は売出し価格が最も高く、鑑定評価が最も保守的に出ます。

実務で効くのは売出し中と登記済みの差です。直近のQ3-2026(期中)では売出し 1,870 AED/sqft に対し登記済み 1,757 AED/sqftと約6%の開きがあります。この乖離が縮む局面は売り手の希望がほぼ通る強い市場開く局面は値引き余地が広がる軟化のシグナルとして読むのが一般的です。2021〜2022年の急回復期には合意価格が売出し価格に肉薄する場面もありました。ただし四半期ごとの振れも大きいため、1期分の動きだけで判断せず数期の傾向で見てください。

なお、このページの主データであるDLD価格指数とは測り方が異なります。指数は物件の質や構成の違いを調整(品質調整)した上で「同じものの値動き」を追うのに対し、ここの単価はその期に動いた物件の単純平均です。高額物件の取引が多い期は平均が上振れするなど取引構成の影響をそのまま受けるため、水準も変動率も指数とは一致しません。両方を並べて見ることで、指数だけでは見えない「希望と現実のギャップ」を補えます。

出典: Property Monitor(propertymonitor.ae、原データ: Dubai Land Department)2026-08-27取得

この指数の読み方と注意点

対象ドバイの住宅の売買(sale)のみ。賃貸・商業用不動産は含みません。賃料は賃料・利回り分析へ。
「平均取引価格」その期間に実際に成立した取引の単純平均額です。高額物件が多く売れた月は平均が跳ねるため、相場の実勢を見るなら指数のほうが信頼できます
面積調整この指数は1戸あたりの価格をベースにしています。㎡単価ベースの他社指数(ValuStrat・REIDIN等)とは水準も変動率も一致しません。数字を比べる際は必ず出典を確認してください。
オフプランDLD登録の取引が対象のため、オフプラン(未完成物件)の売買も含まれます。完成物件だけの相場を見たい場合は別のデータが必要です。
更新頻度DLDのオープンデータは公開が不定期で、月次系列は2024年5月分で更新が止まっています。新しいCSVを入手したら assets/price-index.js を差し替えるだけで全グラフが更新されます。
結論として、この指数は「相場の温度計」です。個別物件の値付けには使えませんが、市場全体が上り坂か下り坂かは驚くほど素直に映します。購入判断の前に、まずここで局面を確認してください。

出典

この指数で、自分の買い時はどう評価されるのか

指数の形を眺めるだけでは投資判断になりません。「その年に買っていたら、いま何%になっているか」を購入年ごとに一覧にしたページを用意しています。前回ピークの2015〜2017年に買った場合の年率も確認できます。

📈 値上がり分析(購入年別リターン)を見る →